情報漏洩対策に効果的!Microsoft Purview Information Protectionで機密情報を守る方法

2024.08.19
情報漏洩対策に効果的!Microsoft Purview Information Protectionで機密情報を守る方法

情報漏洩対策に効果的!Microsoft Purview Information Protectionで機密情報を守る方法

DX化の推進により、多くの企業の文書はデータ化され、クラウドを通じてやりとりされることが多くなりました。クラウドで管理されているデータは、原則クラウドサービス業者によって管理されますが、実際には情報漏洩などの事例は発生しています。

これらのトラブルを防ぐためには、高レベルなセキュリティ対策が求められます。本記事では、情報漏洩対策に効果的なMicrosoft Purview Information Protectionについて解説します。

また、本機能は何度か名前が変わっており、次のような流れになっています。
IRM(Informaton Rights Management) ⇒
AIP(Azure Information Protection)⇒
MPIP(Microsoft Purview Information Protection)

情報漏洩のリスクと企業への影響

情報漏洩が発生すると、企業の信頼度は著しく低下します。法的な賠償責任や罰金などの金銭的リスクが発生するケースもあります。
また、漏洩した情報を取り戻すための原因究明と改善のための調査には多大な労力と時間が必要です。結果的に、企業全体の生産性が低下することにつながるでしょう。

データ保護の重要性の高まり

企業が事業継続を維持するためには、さまざまな脅威から大切なデータを守る必要があります。企業はあらゆるデータを保持しており、データを安全に保持することは所有者の義務でもあります。データ保護をしないで不正アクセスにより情報漏洩が発生した場合は、事業を停止し、原因究明と改善の対策に勤めなければいけません。
このような問題を一度起こすと、金融機関からの融資を受けることも難しくなっています。

Microsoft Purview Information Protectionの概要

Microsoft Purviewには、データマップやデータカタログ(企業のビジネス用語集や機密情報への自動ラベル付け、保護、データ資産間の関係性を可視化)などさまざまな機能がありますが、
本ブログではMicrosoft Purview Information Protectionに特化して説明します。

Microsoft Purview Information Protectionでできること

主な機能は以下の3つに分類されます。

大分類機能中分類機能
データの把握機密情報の種類・トレーニング可能な分類子・データの分類
データの保護秘密度ラベル・Microsoft Purview Information Protection クライアント・二重キー暗号化など
データ損失の防止Microsoft Purview データ損失防止・エンドポイントのデータ損失防止・Chrome用Microsoft Purview 拡張機能など

それぞれの全ての機能は、公式サイトを確認してください。
ここでは、これらの機能を踏まえてMicrosoft Purview Information Protectionでできることについて解説します。

ファイルの重要度を分類・保護

あらゆるデータを分類、ラベル付けする機能が特徴です。ラベル付けをすると、データの保存場所や共有者に限らず、分類の識別が可能です。
極秘・社外秘・公開可などの機密度によってファイルを分類し、ラベルの定義に応じた暗号化が可能です。ラベルは、手動での設定も可能ですが、データ内に含まれるキーワードを対象としたラベルの自動適応も可能です。

ラベルの自動適応を行う事で社員は普段意識することなく、セキュリティを担保したファイルとして情報を扱うことが可能になります。

ユーザー認証を基に操作

アクセス権限を設定しているファイルは、許可されたユーザー以外は閲覧できないようにできます。
例えば、ファイルを保存したUSBメモリーの紛失やメールの誤送信によって、ファイルの流出が起きてしまった場合でも、第三者にファイルを閲覧されることはありません。

ファイルのコピー&ペースト・印刷・キャプチャ・メール転送を禁止

メールの文書やファイルは簡単にコピー&ペーストや印刷などが可能ですが、もし悪質なウイルスの侵入があった場合には社内の情報が漏洩する危険性があります。Microsoft Purview Information Protectionではファイルの保存場所や社内や社外を問わず、コピー&ペースト・印刷・キャプチャ・メール転送などの操作を制御可能です。

Microsoft Purview Information Protectionのメリット

Microsoft Purview Information Protectionのメリットについて解説します。

簡単にファイルを保護

簡単な設定で効果を得られるのが特徴です。Microsoft Purview Information Protectionではクラウドサービスを組み合わせて機能を連携させることで、作業の負荷が大きく軽減され、より簡単にファイル保護ができる環境を構築可能です。

現代では、大量のデータ処理が求められますが、Microsoft Purview Information Protectionによって、生産性を向上させることができます。

ラベル付けによるデータ保護

ラベル付けと分類が可能です。Microsoft 365や一般的なアプリケーションも保護可能で、簡単な操作でデータを保護できます。

Windows OSに限らず、Mac OS、iOS、Androidなどにもラベルをつけることができます。OSだけではなく、ヘッダーやフッター、電子メールヘッダーに追加されるメタデータなどにもラベル付けが可能です。

テンプレート機能による管理の効率化

テンプレート機能によって、社内だけがコンテンツにアクセスする規定のテンプレートが自動作成され、テンプレートを使用した機密データの保護を実装できます。また、テンプレートに対して、適切なポリシーを選択したカスタマイズも可能です。
この機能によって、より管理が効率化できるでしょう。

柔軟性が高い

クラウド上で管理が可能なことによって、柔軟性の高い展開が可能です。クラウドや、オンプレミス環境を問わずあらゆる場所にあるデータを保護できます。
また、データの監視や分析、判断、追跡機能に優れており、必要に応じてデータを追跡しアクセス権限を取り消すこともできます。

強度な暗号化

全ての公開キーの暗号化にRSA2048を使用し、署名操作にはSHA256を使用しています。FIPS140-2と呼ばれる、暗号化ハードウェアの有効性を検証するためのベンチマークに準拠しています。

ライセンス要件

各機能に設定するのではなく、利用プランに応じて異なります。もともとはAzureの機能として提供されていましたが、現在はMicrosoft365のコンプライアンスセンターと統合されています。必要ライセンスはMicrosoft 365 E3、Enterprise Mobility & Security E3で、より活用するためにはE5 、 Enterprise Mobility & Security E5が必要です。

参考記事:https://cdn-dynmedia-1.microsoft.com/is/content/microsoftcorp/microsoft/final/en-us/microsoft-brand/documents/modern-work-plan-comparison—enterprise-2-2024-08-01.pdf

まとめ:情報漏洩対策にはMicrosoft Purview Information Protection

Microsoft Purview Information Protectionは、さまざまなデータの検出や分類、保護が可能です。これによって、情報漏洩のリスクが低減できるでしょう。企業が事業を継続するために、情報漏洩対策は必須です。今後もMicrosoft Purview Information Protectionを始めとし、Microsoftのセキュリティ機能は拡充が見込まれるため、情報漏洩対策を検討している企業は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Microsoft Purview Information Protectionの導入方法や設定手順については、以下の公式ドキュメントを参照してください。

Microsoft Purview Information Protectionの導入事例

ここでは、Microsoft Purview Information Protectionを導入した企業の事例を紹介します。

株式会社A社の事例

株式会社A社は、大手製造業企業です。同社では、機密情報を含む多くの文書をクラウド上で管理していましたが、情報漏洩のリスクが懸念されていました。そこで、Microsoft Purview Information Protectionを導入し、データの分類とラベル付けを行いました。これにより、機密情報の不正アクセスや流出を防ぐことができ、セキュリティ対策が強化されました。

B金融機関の事例

B金融機関では、顧客の個人情報を多く扱っているため、情報漏洩対策が重要な課題でした。Microsoft Purview Information Protectionを導入したことで、顧客情報にアクセスできるユーザーを制限し、データの暗号化を行うことができました。また、監査機能により、不審なアクセスを検知し、速やかに対処できるようになりました。

これらの事例から、Microsoft Purview Information Protectionは、様々な業種や規模の企業で活用されており、情報漏洩対策に効果を発揮していることがわかります。

まとめ

本記事では、Microsoft Purview Information Protectionについて、その機能やメリット、導入事例を解説しました。情報漏洩対策は、企業にとって重要な課題ですが、Microsoft Purview Information Protectionを活用することで、効果的にデータを保護することができます。

情報漏洩対策に課題を感じている企業は、ぜひMicrosoft Purview Information Protectionの導入を検討してみてください。セキュリティ対策の強化により、企業の信頼性向上と事業の継続性確保につながるでしょう。

また、Microsoft Purview Information Protectionは、Microsoft 365のコンプライアンス機能の一部です。他にも多くの機能が提供されているため、自社のニーズに合わせて活用することをおすすめします。

データ保護とコンプライアンス対策は、企業経営において欠かせない要素です。Microsoft 365の機能を活用し、安全で効率的な情報管理を実現しましょう。

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以上、最後までご愛読いただき
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