Azure Function のプラン解説! | 起動頻度、処理負荷に応じて最適なのはどれ?!

2025.01.27
Azure Function のプラン解説! | 起動頻度、処理負荷に応じて最適なのはどれ?!

Azure Functionsは、サーバーレスコンピューティングの世界で注目を集めているサービスです。効果的に利用するには、適切なプランと開発手法を選択することが重要です。この記事では、Azure Functionsの主要なプランと、Durable Functionsという開発手法について解説します。また、各プランのインスタンス数の上限やホットスタート、コールドスタートの観点も含めて詳しく説明します。

Azure Functionsの主要プラン

Azure Functionsには主に4つのプランがあります:

  1. 従量課金プラン
  2. Flex従量課金プラン
  3. Premiumプラン
  4. App Serviceプラン(専用プラン)

1. 従量課金プラン

特徴

  • 使った分だけ支払う方式
  • 自動でスケーリング
  • コールドスタートの可能性あり
  • VNet統合非対応
  • インスタンス数の上限:200インスタンス
  • コールドスタート:発生する可能性が高い

適した使用シーン

  • 不定期に実行される軽量な処理
  • 開発・テスト環境
  • コスト最適化が重要な場合

アイドル状態が続くとインスタンス数がゼロまでスケールダウンし、新しい要求時にはゼロから1へのスケーリングが必要で、待機時間が発生します。

2. Flex従量課金プラン

特徴

  • Linuxベースのホスティングプラン
  • 高速なスケーリング
  • VNet統合対応
  • 常時使用可能インスタンスの設定が可能
  • インスタンス数の上限:40〜1000インスタンス(デフォルトは100)
  • コールドスタート:発生する可能性があるが、常時使用可能なインスタンスで軽減可能

適した使用シーン

  • 高負荷な処理
  • プライベート接続が必要な環境
  • コールドスタートを避けたい場合

常時使用可能なインスタンス数を設定可能で、高速なスケーリングが可能です。

3. Premiumプラン

特徴

  • 常時ウォームな状態を維持
  • VNet接続が可能
  • より長い実行時間をサポート
  • インスタンス数の上限:100インスタンス(一部のリージョンで)
  • ホットスタート:常時使用可能なインスタンスによりコールドスタートを回避

適した使用シーン

  • 頻繁に実行される処理
  • コールドスタートを完全に避けたい場合
  • VNet内のリソースにアクセスする必要がある場合

最小1インスタンスが常に稼働し、常時使用可能なインスタンスと事前ウォーミングされたインスタンスにより、コールドスタートを効果的に排除します。

4. App Serviceプラン(専用プラン)

特徴

  • 専用のVMで実行
  • 他のApp Serviceアプリと共存可能
  • 無制限の実行時間
  • インスタンス数の上限:プランの価格レベルによって異なる
  • ホットスタート:常時稼働によりコールドスタートは実質的に発生しない

適した使用シーン

  • 長時間実行される処理
  • 既存のApp Serviceプランを有効活用したい場合
  • リソースを最大限に活用したい場合

専用のVMで継続的に実行されるため、コールドスタートは問題になりません。

Durable Functions:ステートフルな開発手法

Durable Functionsは、Azure Functionsの拡張機能であり、ステートフルな処理や長期実行プロセスを実現する開発手法です。

特徴

  • ステートフルなワークフローの定義が可能
  • 長時間実行されるプロセスをサポート
  • 複雑な処理フローの実現

主要な関数タイプ

  1. オーケストレーター関数:処理の流れを制御
  2. アクティビティ関数:個々のタスクを実行
  3. エンティティ関数:状態の管理を行う
  4. クライアント関数:オーケストレーションを開始・管理

適した使用シーン

  • 複数の関数を連携させる複雑なワークフロー
  • 長時間実行される処理
  • 状態を保持する必要がある処理

プラン選択とDurable Functions活用のポイント

  1. 起動頻度と応答性: 頻繁な起動や高い応答性が必要な場合は、PremiumプランやFlex従量課金プランが適しています。コールドスタートを完全に避けたい場合は、Premiumプランか専用プランを選択しましょう。
  2. スケーリングの柔軟性: 大量のイベントを処理する必要がある場合、従量課金プランやPremiumプランのイベントベースのスケーリングが有効です。
  3. コスト最適化: 使用頻度が低い場合は従量課金プランが最もコスト効率が良いです。常時稼働が必要な場合は、PremiumプランやApp Serviceプランを検討しましょう。
  4. ネットワーク要件: VNet接続が必要な場合はFlex従量課金プラン、Premiumプラン、App Serviceプランを選びます。
  5. 実行時間: 長時間の実行が必要な場合はApp ServiceプランかPremiumプラン、またはDurable Functionsの使用を検討しましょう。
  6. 複雑なワークフロー: 複数の関数を連携させる必要がある場合は、Durable Functionsの使用を検討しましょう。

まとめ

Azure Functionsの各プランには、それぞれ特徴があり、用途に応じて最適なプランを選択することが重要です。インスタンス数の上限、ホットスタート、コールドスタートの特性を考慮し、プロジェクトの要件に最適なプランを選びましょう。さらに、Durable Functionsを活用することで、より複雑なワークフローや長時間実行プロセスを実現できます。適切なプランと開発手法を選択することで、Azure Functionsの利点を最大限に活かし、効率的なアプリケーション開発が可能になります。

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