Azure FunctionsとDurable Functionsの違い、メリット、デメリット、およびApp Serviceとの比較
2023.05.26
Azureにはさまざまなサービスがありますが、その中でもAzure FunctionsとDurable Functionsはサーバーレスコンピューティングの中核を担っています。
目次
Azure FunctionsとDurable Functionsの概要と違い
Azure Functionsはイベント駆動型のコンピューティングサービスであり、個々の関数を実行することができます。 一方、Durable FunctionsはAzure Functionsの拡張機能であり、長時間実行される状態フルなプロセスを作成することができます。Azure FunctionsとDurable Functionsの違い
- 実行時間: Azure Functionsは短時間の実行を対象としており、個々の関数はサーバーレスの場合10分以内で完了する必要があります。一方、Durable Functionsは長時間実行されるプロセスをサポートしており、複数の関数が連携して長時間のタスクを実行します。Durable Functionsは親となるFunctionにタイムアウトは無く、そこから呼び出す個々の処理を10分以内に抑えればサーバーレスのまま利用する事ができます。
- 状態管理: Azure Functionsは状態レスであり、各関数は独立して実行されます。Durable Functionsは状態フルであり、関数間で状態を共有および管理することができます。
- 制御フロー: Azure Functionsはイベント駆動型の実行であり、単一の関数が単独で実行されます。Durable Functionsはタスクの制御フローを定義できるため、複数の関数を組み合わせて複雑な処理を実現できます。
Azure FunctionsとDurable Functionsのメリットとデメリット
Azure Functionsのメリット
- スケーラビリティと従量制課金: 需要に応じて自動的にスケールし、使用したリソースに対してのみ支払いが発生します。
- イベントトリガー: 外部のイベントに応答して実行されるため、リアルタイム処理やバックグラウンドジョブなどに適しています。
Azure Functionsのデメリット
- 長時間実行の制約: Azure Functionsは短時間の実行が前提となっており、長時間の処理には制約があります。長時間のタスクを実行する場合には、Durable Functionsを検討する必要がありますが、個々の処理には制限時間があるため、処理フローは十分に考慮する必要があります。
Durable Functionsのメリット
- ステートフルなプロセス: 長時間実行される状態フルなプロセスを実現し、状態の管理や永続化が容易です。
- オーケストレーション: 複数の関数を組み合わせてタスクの制御フローを定義できます。複雑な処理やフローの実現が可能です。
Durable Functionsのデメリット
- 実装の複雑さ: Durable Functionsは高度な機能を提供していますが、そのために実装が複雑になる場合があります。タスクの制御フローや状態管理には注意が必要です。
- 追加のコスト: 長時間実行されるプロセスには一定のリソースやストレージの使用が必要となり、追加のコストが発生する場合があります。
App ServiceでAPIを作成する場合との比較
Azure App Serviceは、WebアプリケーションやAPIのホスティングに特化したサービスです。App ServiceとAzure Functions/Durable Functionsの主な違い
- 実行モデル: App Serviceは常駐型のWebアプリケーションをホスティングしますが、Azure Functions/Durable Functionsはイベント駆動型や状態フルなプロセスを実行します。
- スケーラビリティ: Azure Functions/Durable Functionsは需要に応じて自動的にスケールし、リソースの無駄を省きます。一方、App Serviceは手動または自動的にスケールすることができますが、より制御が必要です。
- 従量制課金: Azure Functions/Durable Functionsは使用したリソースに対してのみ課金されますが、App Serviceは常時実行されるため、リソースの使用状況にかかわらず課金されます。
- 開発フレームワーク: Azure Functions/Durable Functionsはサーバーレス環境に特化したフレームワークですが、App Serviceではさまざまなプログラミング言語やフレームワークが使用できます。
結論
Azure FunctionsとDurable Functionsはイベント駆動型や長時間実行のプロセスをサポートするサービスであり、それぞれの特性やメリットを持っています。 Azure Functionsは短時間の処理やイベント駆動型のタスクに適しており、スケーラビリティや従量制課金のメリットがあります。 Durable Functionsは長時間実行される状態フルなプロセスやタスクの制御フローを実現し、オーケストレーションやステートフルな処理が可能です。 App ServiceはWebアプリケーションやAPIのホスティングに特化しており、常駐型のアプリケーションの実行に適しています。 App Serviceでは柔軟な開発フレームワークとスケーラビリティの制御が可能ですが、常時実行されるために追加のコストがかかる点に留意する必要があります。 最終的に、どのサービスを選択するかは、具体的な要件や目標によって異なります。Azure FunctionsとDurable Functionsはサーバーレスの特性を持ち、短時間の処理や長時間のプロセスに特化しています。一方、App ServiceはWebアプリケーションやAPIのホスティングに特化しており、常駐型のアプリケーションの実行に適しています。プロジェクトのニーズに合わせて、適切なサービスを選択することが重要です。 Azureの活用方法、アーキテクチャのご相談(性能改善やAzure費用etc…)、DX推進などお気軽にお問合せください以上、最後までご愛読いただき
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