【RAG】Azure OpenAIのOn Your Dataとは?機能やできることを詳しく紹介
AIの進化が加速し、個人やビジネスでも活用されるシーンが増加しています。企業のDX推進や業務自動化の実現など、自社の業務にAIを活用できないか検討している人も多いのではないでしょうか。
Azure OpenAIのOn Your Data機能は、独自のデータをAIに組み込んで独自AIモデルの構築などが可能で、ビジネスにAIを効果的に活用できる可能性を秘めています。本記事では、On Your Dataの一般的提供機能や、機能を活用してできることについて解説します。
On Your DataとはAzureのリソースでは無く、機能を利用すると比較的簡単にAzure上でRAG構成が構築できるという物です。
Azure OpenAIのOn Your Dataとは?
OnYourDataは、Azureが提供する新しいRAGを構築する機能です。企業の既存データを活用し、AIの力で意思決定を迅速化・正確化するツールです。
RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を基盤とし、大規模言語モデルに外部知識を効果的に組み込みます。カスタマーサポートや社内ナレッジ管理、製品開発など、幅広い分野での応用が可能です。Azureプラットフォーム上でこの先進的なAI技術を実現し、企業のデータ活用を革新的に支援します。
企業特有のニーズに合わせた、より精度の高いAIソリューションの実現が期待されています。On Your Dataにより、企業は自社データを安全に活用し、AI技術のポテンシャルを最大限に引き出せるようになりました。
Azure Open AI On Your Data の一般提供機能
Azure Open AI On Your Dataは、自社データなどの独自のデータを生成AIで利用できます。Azureのデータソースに加えてサードパーティのデータソースも追加可能です。
Azure Open AI On Your Dataで提供されている一般提供機能を紹介します。
エンタープライズ向けの強化されたセキュリティ
Azure OpenAI StudioおよびAPIのプライベートエンドポイントを使用して、Azure AI Search、Azure OpenAI、およびAzure Blob Storageにプライベートアクセスが可能です。
また、Azure AI Search セキュリティ フィルターを使用すると「ドキュメントレベルのアクセス制御」により、ユーザーがアクセスできるドキュメントに基づいて応答を生成できます。
拡張されたデータソース
Azure AI SearchおよびAzure Cosmos DB for MongoDB vCoreからデータに接続できます。
Azure Blob Storage、ローカルファイル、URLなど、まだプレビュー中のデータソースも利用できます。
知識情報検索のためのRAGの組み込み
RAGモデルの高度な機能を活用して、情報検索の品質と関連性を向上させます。
カスタマイズ可能な応答とパラメータ
応答とカスタムパラメータをカスタマイズできます。カスタムパラメータは、会話のスタイルや取得するドキュメントの数などです。
Azure AI Vectorとハイブリッド検索
Azure AI Searchからベクトルまたはハイブリッド検索を使用して、データのより正確な検索を実現します。
デフォルトでのセマンティック検索
セマンティック検索を使用して、よりコンテキストに対応した関連性のある結果を受け取ることができます。
OpenAIモデルの利用
OpenAI GPT-35-Turbo、GPT-35-Turbo-16k、GPT-4、GPT-4-32k、GPT-4oモデルが利用可能です。
ドキュメントレベルのアクセス制御
応答生成時にMicrosoft Entra IDに基づいてドキュメントへのアクセスを制限してセキュリティを強化します。
Azure Open AI On Your Data でできること
On Your Dataを活用してできることの例として以下の様なものがあります。
- 独自モデルの構築
- 非構造化データの検索
- 既存のAzureシステムとの連携
- ビジネスプロセスの自動化
- 独自データを活用したチャットボットの作成
独自AIモデルの構築
一般的なAIモデルではなく、企業の独自データを組み込んだカスタムAIモデルが利用できます。
自社の製品情報やサービス内容、社内の教材や資料などのデータを組み込み、自社のビジネスや教育に特化したAIモデルを構築できます。
非構造化データの検索
On Your Dataで使用するAzure AI Searchは、コグニティブ検索機能でインデックスを作成して検索可能なコンテンツに変換することで、比較的簡単に非構造化データの検索が可能です。
さらに、Azure Blob Storageを利用すれば、非構造化データの保存ができます。データソースにてAzure Blob Storageを選択することで、AIがデータを構造化して検索可能にすることや、インデックスを追加しての検索が可能です。
既存のAzureシステムとの連携
On Your Dataでは、既存のAzureシステムとの連携ができます。例えば、Azure AI SearchやAzure Blob Storageです。これらのシステムと連携し、ユーザーのプロンプトに返答していく仕組みを構築できます。
Azureサービスを既に利用している場合は、デプロイすればすぐに使用可能となります。
ビジネスプロセスの自動化
On Your Dataで学習させたモデルを活用すれば、業務フローの一部を自動化できます。
例えば、問い合わせ内容に応じて適切な部署へ自動転送するシステムや、定常業務の自動化が可能です。
独自データを活用したチャットボットの作成
On Your Dataを活用すれば、自社データを取り込んだチャットボットを作成できます。従来のChatGPTは、一般的な検索や文章の要約や作成など、すでに学習されているデータをもとにして行うもので、社内情報や自社特有のルールやデータに関する対応ができませんでした。
On Your Dataを活用することにより、ChatGPTと同じように質問して自社のデータソースから検索した回答ができます。
まとめ
本記事では、On Your Dataの機能について解説しました。
目的が検索の場合、意図しない動きをする可能性もありますが、データを元に生成AIが要約した回答をして欲しいという点においてはOn Your Dataを使用することにより、企業や組織の独自データをAIモデルに学習させ、よりビジネスに特化したAIアプリケーションが構築できます。
ビジネスにおいて、AI活用を加速させる画期的な機能がOn Your Dataです。
第一段階として、Azure OpenAI Serviceを自社でどのようにビジネス活用できるか検討してみてはいかがでしょうか。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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